演劇上等!~桃太郎編~
突っ込みどころは満載だが、ようやく物語は“桃太郎”らしくなってきたようで。
『鬼ヶ島に住んでいる鬼は、とても手強いのです。桃太郎はまず、仲間を集めようと道を歩き始めました。すると』
ピーチが道を歩いている振りをして舞台を歩き回っていると、舞台の端から猿役のディディーが現れて。……そのままだ。
「もーもたーろさんっ、もーもたーろさん。おっこしにつっけたー、きーびだーんごー。ひっとつー、わったしーに」
「歌わなくてもあげるわよ」
せっかく陽気に歌いながら近付いてきてくれたのに、ピーチはその口を塞ぐように吉備団子をディディーの口の中へ。
「っ……あ、うめえ」
文句を言おうとしたディディーだったが、吉備団子の味に頬を緩めて。
「食べたらついてきなさいよね」
『こうして桃太郎は、陽気な猿を仲間に加えて再び道を歩き出すのでした』