演劇上等!~桃太郎編~



「仕方ないわね」

ピーチは腰に下げた鞘からおもむろに刀を引き抜くと、すっと目の色を変えて。

「早めに片付けるわよ」
「了解した」

鬼三人と向き合い、構えるビル。

「他二名はともかく、ルーティは生け捕りよ。見せしめにしてあげるんだから」

言いながらニヤニヤするピーチに、

「どう見せしめにする気だ」
「公開羞恥……、何でもない」

口々に呟くファルコとディディー。


『いよいよ、鬼と桃太郎の壮絶な戦いが始まります』


――と、ビルが駆け出した。狙いはフォックス、素早く詰め寄って回し蹴り。

フォックスは腕で防ぎ、その脚を掴んでバランスを崩させようと試みる。

そこへ駆け出してきていたディディーがフォックスに飛び蹴り、喰らう直前でフォックスはビルの脚を解放し、ひらりと躱す。

解放されたビルはバク転バク宙織り混ぜながら後退、観客の目を楽しませて。
 
 
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