アルバムを作ろう!
レッドは小さく笑みをこぼす。
「さてと」
そう零したのは撮影を終えても尚普段の様子からは到底想像もつかない緩みきった表情で頬擦りなどしてはたっぷりと大好きな妹を堪能していたスピカだった。幸福感を十分補充したのでそろそろお暇しようといったところか。
「あれ。来てたんだ」
ちょうど食堂に入ってきたのはこれから昼食を頂く予定で訪れたルーティとウルフである。
「せっかく会えたのに。もう帰っちゃうの?」
「悪りぃな。外で待たせてるからよ」
疑問符を浮かべる。
「にぃにってば他のダークシャドウの人たちも上げてあげればよかったのに」
「部下じゃなくて」
スピカは小さく息を吐く。
「上司の方」
「え?」
……まさか。
「──!」
爆発音が鳴り響くと屋敷全体が揺れた。
「派手に始めやがったな」
「っじゃないでしょ!」
特別関心も抱かない様子のスピカにルーティは即座に突っ込んでウルフと視線を交わし食堂を飛び出す。思わぬ緊急事態に唖然とする面子が多々いる中でレッドは駆け出した。
「どこに行くんだよ!」
「……だから」
扉に手を掛け足を止めてぽつりと呟くレッドにネロは思わず息を呑む。どんなに非戦闘員と言われたところで彼にだって想いはあるのだ。
だってここは皆の大切な屋敷だから──
「シャッターチャンスだから!」
「違うだろおい待てレッド!」