アルバムを作ろう!
驚く声が屋敷中に響き渡ったのは──お約束。
「神出鬼没ですね」
胸を押さえて震えながら鼓動よ鎮まれと念じるゼルダの横でリンクが溜め息をつき視線を投げかけるのは勇者の影ダークリンクだった。
「予告状なんざ柄じゃねえ。だろ?」
「たまたま通りかかったんだよ」
頷くダークウルフの傍らでスピカが答える。
「無事任務を終えましたので」
「鉄みたいな匂いがするような」
「嗅いだらあかん」
ドンキーがディディーの鼻を塞ぐ。
「ダークシャドウって写真に映るんですか?」
「……は?」
「撮ってみようぜ!」
ガノンドロフの上ではしゃぐトゥーンに後押しされるようにしてリンクはにっこり笑いながらダークリンクの腕を引いて寄せる。
「ッてめ、気色悪い! 離せ!」
「カメラは向こうですよ」
「はあ!?」
カシャッ。
「にぃにっ」
珍しく自ら腕に抱きついてくる妹にスピカは心臓が口から飛び出すような驚きようだった。
「ぁ、え?」
「僕たちも写真撮ろーよ!」
「いいですねえ。兄弟水入らず」
「ダークシャドウさん達も!」
きょとんと。
「にぃにの家族は僕の家族だもん」
反して無邪気に笑う。
「だから──皆で一緒に撮ろっ!」