アルバムを作ろう!



これまた随分と突拍子もないことを。

「待ってよう!」

廊下を歩くレッドを追いかける。

「写真なんか撮ってどうするってのさ!」
「アルバムにするんだ」

ネロは小さく息を吐き出す。

「くだらないという話でもないよ。何でもない日常に見えて僅かでも変化はあるんだ。今日と明日は同じようで違うから形として残すことにちゃんと意味がある。だから」

急に立ち止まったレッド。ぱっと振り返って、

「そこに並んで! 写真を撮ろう!」


カシャッ。


「顔が引き攣ってるわよ」
「るっせーな」

アルフェイン兄妹。

真ん中のローナを挟むようにネロとシフォンが並んでVサインでぱしゃり。確かに指摘された通りネロの笑顔にはぎこちないものがあるが。

「お前らがチビだからわざわざ屈んでやってんだろ。笑顔なんか意識できるか」
「不器用ねえ」

シフォンの呟きにつんとしてそっぽを向く。

「けど──初めて会った時よりも笑ってるよ」

どきりとした。

「そっ、」
「ツンデレのデレだよ! 激写激写!」
「からかうな!」
「難しい年頃だこと」

カシャッ。
 
 
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