アルバムを作ろう!
「え?」
ユウとリオンが同時に振り向いた。
「あのなぁ」
ネロは呆れたように。
「お前まで同じことやってどうするんだよ」
後ろからカメラ画面を覗き込む。
「ずるーい!」
「私にも見せてちょうだい」
口々に言ってローナとシフォンも覗いたが次の瞬間心を打たれたように目を丸くした。
「れ、レッド」
「随分と良い表情が撮れたのね」
「まさかユウのあられもない姿を念写……」
「ンなわけあるか」
ネロがひと睨みする間にひょいひょいと。
「……!」
詰め寄るリオンにふっと溢れた笑み。
誰も気付くはずのない──ほんの一瞬浮かべただけの自然な表情がぶれず映し出されている。
「くっ」
「お前も何意地になってるんだよ」
すかさずユウが削除を目論んで手を伸ばすのでこの中では一番背の高いネロが取り上げた。
「消さなくていいもんだってあるだろ?」
見惚れている様子のリオン。普段冷たい扱いを受けているだけあってまさか自分が見落としていた表情がこうも柔らかなものだったとは。
「現像するかい?」
「ぜ、是非!」
ローナの提案にぱっと振り向いて素早く応える彼のなんと嬉しそうなことか。
「、レッド?」
何やら考え込んでいる様子の彼に疑問符。
「よし」
程なく何かを決心したかのように一人頷いて。
「もっと写真を撮ろう!」