アルバムを作ろう!
……、……は?
「うわうわうわ」
視線を受けてローナは慌てた。
「だめだよレッド!」
「駄目なことしてるのはあっちだよ!」
「そうだけどそうじゃないわ」
せっかく注意が逸れていたのに!
「ひわば!」
と思えば次の瞬間にはマスターもクレイジーもレッドの目の前にいるのだから驚いた。彼らの多用する瞬間移動能力というものは心の準備が全く意味をなさないのだから困る。
「さっきから何?」
「写真を撮ってるんだ」
マスターとクレイジーは互いの視線を交わして今度はその背後に現れる。
「……へぇ。よく撮れてるじゃん」
「この白いのは何だ?」
「さっきの君たちの攻撃だよ」
「それはすまないことをしたな」
あっ。謝るんだ。
「うわこれ消してよ可愛くない」
「お前はどの角度から撮っても可愛いだろう」
「望んでる形ってものがあるんだよ」
「おーい!」
マスターとクレイジーは振り向く。
「さっさと帰るぞ、上司ども!」
「あーもー我が儘王子が来ちゃったじゃん」
「この場はお預けだな」
……離れる。
「命拾いしたよねぇ」
「基地に戻ったら研究の続きをするか──」
「待って!」
疑問符を浮かべてそちらを見遣ればデジカメを手にレッドは純真無垢な満面の笑みで。
「写真撮らない?……皆で!」