アルバムを作ろう!
ほんの一瞬。気を取られたが刹那。
「っ!」
死角から飛び込んだルーティの青の稲妻まとう蹴り払いをすかさず受け止めた。途端目の色を変えてその脚を掴めばクレイジーは振り向き様向かってきていたウルフに向かって勢いつけて放り投げる。ウルフは両腕を交差させると即座赤の反射板を展開──ルーティも空中で体勢を取り戻すと反射板を蹴り出して電光石火。
「ぐあッ!」
突撃を食らえば地面を転がったが追撃を受ける前にその場から消えた。次に現れたのは空中で気付けばマスターもその隣にいる。まとう衣を風にはためかせて見下す彼らは互いの手を重ね合わせると瞳の赤と青を重く濁らせて。
「まずいな」
駆けつけてきたメタナイトが呟く。
「僕たちせっかく手加減してやってたのに」
「どこまでも愚かな奴らだ」
口々に呟く双子の周囲に風が発生する。
「あっ」
展開される魔方陣。不穏な空気。
「ルーティ! 発動される前に止めるぞ!」
「分かってるよ!」
ウルフは視線を交わして駆け出す。
このままじゃ。
「あはっ」
クレイジーは笑う。
「僕たちにかなうとでも?」
マスターがこめかみに口づけを落とせば恍惚に目を細めて擦り寄った。次の瞬間には魔方陣は淡い光を抱いて恐れていた事態を。
手繰る──
「乱反射するから、だめー!」