アルバムを作ろう!
「リオン」
真剣な面持ちで正座で向き合う。
「このカメラは何かな?」
二人の間には新型のデジタルカメラ。
「それは」
膝の上で拳を握る。
「盗撮用です」
「没収します」
エックス邸、レッドの部屋。
「高かったんだぞ!」
身を乗り出して抗議するのはリオン。
「駄目です」
素早く取り上げてぴしゃりと。
「良いものを撮るならまだしも」
「一人きりで慰めているところとか!?」
「風景とかだよ」
まったく。最近妙なシャッター音が付き纏うという噂を聞きつけて何の気なしに探ってみれば案の定これだもんな。彼らしいといえば確かにそうだけれどもう少し自制出来ないものか。
「本当に貴様は……懲りない奴だな……」
同席したユウも声が震えている。
「ユウ……妬いたのか……?」
「貴様はこの話の流れで読解力も無いのか?」
リオンは目を輝かせながら詰め寄ると。
「安心してくれ! 実はあれには秘蔵フォルダというものがあってだな──」
「今すぐに抹消してやる!」
懲りないのはどっちもどっちだなあ。傍観者のネロ達も苦笑を浮かべるばかりだしあれでよくパートナー解消に至らないなと感心する。
そんなことを思いながら。
レッドは手にしたデジカメの画面に二人の姿を映し込むと静かにシャッターを切った。
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