ぼくのいろ
えっ、と誰もが発言したタブーに注目した。
「もしかして、髪のことじゃないかな」
互いに顔を見合わせていたが、気付いて納得。
「ばらばらだよね」
「久々に突っ込まれたな」
腕を組んで、ネロ。
「きょうだいなのに」
「そうね。確かに不自然だわ」
タブーはじっと三人を見つめている。
「……俺たちの種族は女が生まれにくい個体だからな」
「ちょっとしたものを研究所に提供しあって、それで生まれたのが私たちなのよ」
シフォンは小さく笑みをこぼす。
「そういう意味では、兄妹といっても義理という話になってくるのかしら」
「ちゃんとした家族だよっ」
「……かぞく?」
えへん、とローナは誇らしげに胸を張った。
「我々アルヴェインはどう足掻いても家族なのだ!」
「絶望的衝撃の事実ね」
「もう少し可愛く締めくくれよ」
気付くと、タブーは自身の髪を人差し指をくるくると回しながら巻き付けて弄んでいる。聞いておいて話に飽きてしまったのかと思いきや、
「へんじゃないけど、へん」
そう言ってルーティの服の裾を引いた。
意思表示。これがまた敵なのに分かってしまう付き合いになるとは。
「何だい何だい。変なのはそっちの方じゃないかっ」
ルーティとタブーが歩いていく背中を見つめ、ローナは頭の後ろに腕を回す。
「……髪の色を気にしていたわね」
「ああ、気にしていたな」
口々に呟く二人を、ぱっと振り返って。
「ずるい! 僕にも教えろー!」