ぼくのいろ
――エックス邸。
「うわっ!」
ディディーは思わず声を上げてドンキーの後ろに隠れた。
「た、ただいま」
紙袋を抱えたルーティの後ろで、こっそり隠れるようにしてタブー。買い物に付き添っていたウルフは気にも咎めず煙草を片手に、ふぅ、と煙を吐き出して。
「うわお前なんちゅーもん拾うてきてんねん」
「ぺ、ペット禁止なんだぞ!」
ご覧の有り様である。
「あはは……」
「構うこたぁねえ。くっ付かせときゃ何もしやしねえよ」
さらりと犠牲にされたところで、タブーがドンキーとディディーをじっと見つめていることに気付いた。何を考えているのやら、そう思って見つめていると。
「じみ」
――黒の背景に雷撃が走る。
「なんやもういっぺん言うてみい!」
「……こせいがない」
何に関してそう発言したのかは相変わらず知れないが、今度も目的があって出歩いていたようだ。それにしたって今日は服装が決まっているな。
「何処が個性ないゆうねん! 数少ないツッコミ役で且つ関西弁キャラやろ!」
「おなじかんさいべんならピグマってひとのほうがキャラがたってる」
「……そいつは否定できねえな」
「どっちの味方やねん!」
今回も振り回されそうな予感。