創造神は調子が上がらない!▼
結局。カービィの立ち回りにより無事にギャラクティック・ノヴァは破壊。……そして。
「終わったぞ」
──マリオとルイージの部屋。
「抗生剤を打っておいたからもうくしゃみなんざ出ないだろ」
使い終わった注射器をルイージに手渡しマリオが薬を処方するその相手はマスターである。
「朝と夜の食後に一錠。忘れるなよ」
「……ああ」
まさか敵対している亜空軍の主将、それも神が普段模造品だの玩具だのと見下しているその相手に処置される構図を拝むことになろうとは。
「だから風呂上がりは髪乾かせって言ったのに」
流石のクレイジーも呆れ顔である。
「風邪をひいているのを分かっておいて連れ出す方もどうかとは思いますけどね」
「はぁぁ?」
「ま、まあまあ」
睨み合うリンクとクレイジーをロイが宥める。
「ただ単に体調を崩してるだけだったなら好都合だったんだけどね」
「くしゃみする度に創造したんじゃあな……」
マルスとアイクは口々に。
「ご迷惑を……おかけしました……」
「い、いえいえこちらこそ」
「何畏まってんのロイそいつ敵だよ」
「そうだった」
斯くして──マスターのくしゃみが治ったことで事態は幕を下ろしたのである。
「……帰るか」
「そうだね。兄さん」
そう言ったが直後。
「へっくしゅ」
ビシッ、と。照明にヒビが入る。
「え……えへへ」
クレイジーは痛く視線を感じながら愛想笑い。
「お前ら帰れえええッ!」
風邪にはご用心。
end.
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