いいから空気を読みなさい!
――そしてここは表世界。天空大都市レイアーゼ、エックス邸。
「ま、っ……カービィ、これ以上は……っ」
おいおい。この二人はまた真っ昼間から何をやっているのだ。
「どうせ明日だって依頼入ってないんでしょ」
「馬鹿を言うな、弟子共の朝練が控えているんだぞ!」
「そんな冷たいこと言わないで、さ」
びく、と体が跳ねる。
「メタナイトの可愛い声、僕にもっと聞かせ」
勢いよく扉が開かれて。
「空気とはなんだ!」
このタイミングで。よりにもよってこのタイミングで。
何をしに来たんだこの男は。
「はい、おまたせ」
今しがたシャワーを浴びてきたカービィはタオルを首にかけて部屋に戻ってきた。
続けてメタナイトが入室し、扉が閉まる。ベッドに腰を下ろして待機していたのはなんとあのダークウルフだった。
「そんなこと」
ダークウルフはしゅんと狼の耳を垂らして。
「……すまない」
「自覚あったんだ」
こくりと頷いて。
「真っ昼間から仲良くしやがるもんで、つい」
「空気を読めなかったのではなく読まなかったのか」
「ごめん、殴っていい?」