神様のなにもない一日
……生意気。
「それではおやすみなさいませ」
「タブー様のメンテは俺らがやっとくんで」
結局しっかりと部屋まで送られた挙げ句、扉を閉められたがあの様子では部屋の前で待機しているようだった。気に食わないが舌打ちだけ残して衣装に手を掛けながらベッドに向かう。
「あいつらに任せて大丈夫なわけ?」
「信用はできないな」
縁に腰掛けて。
「後日改めてメンテナンスをしよう」
「ま、それが賢明だよね」
大体やり方も何も教えてなければ見て覚えたという筈もないのにどうするつもりなのか。機材壊されて次に訪れた頃には瓦礫の山でしたとかそれだけはやめてほしいんだけど──
「……兄さん?」
急に静かになるので振り向いてぎょっとした。
いつの間にかベッドの上に横たわり着替える間もなく寝てしまっていたのである。
「ちょっと、服」
揺すり起こそうとも思ったが確かに指摘の通り白い肌の上では目の下の隈が極めて目立つ。
「マスター様もクレイジー様も」
躊躇い生じて。
「甘えるのが下手っスよねー」
「生まれ持った性質というものは人が言うより簡単に変えられないものですから」
……聞こえてるっつの。
兄の隣に寝転ぶと幸いにも眠気はすぐに襲ってきた。自分が思うより疲れの溜まっていた体はあれよあれよという間に意識を手放して。
夢の世界へ落ちていく。……