神様のなにもない一日
「──そういうわけだ」
その人は玉座の上で悠々と足を組む。
「今日一日は俺と弟にしか解決し得ないような厄介ごとを持ち込まないように」
亜空間。中略。
謁見の間とも言えようこの場所でスピカ率いるダークシャドウがそんなことを告げられたのは早朝呼び出されてのことだった。
何事かと思えば、などと鼻を鳴らしたいところだが神様が神様としての役割を果たす為のその力を使えないともなると笑えるはずもない。
原因は。いつ復活するのか。
訊ねたいが曰く過去に同じような事象はあったもののこうなったら時間を置かないと何をどう試そうが無駄らしく。
彼らの言う神力とは"この世界"で息づく生き物や存在の全てから時間をかけて得ていくものらしい。要するに貯蓄していたものを使い切り電池切れを起こしてしまったので、この一日は充電が必要であるということなのだろう。
「兄さん」
傍らのクレイジーが呼び掛ける。
そういえば今日は週に一度行なわれるタブーのメンテナンスの日だったか。
「分かっているさ」
マスターは小さく欠伸を洩らして。
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