保健室は多忙



「ま、仕方ないさ。体育の授業を担当してんのは、あのスネークだから」

ソニックの言葉を聞いて、俺は納得した。

――一度、体育の授業を傍観したことがあったが、ほふく前進で百メートル走とか、玉入れならぬ手榴弾入れとか……とにかく無茶苦茶だったからな。

……怪我人が出る授業といえば、もう一つ心当たりがある。

「兄さ……げほっ! ごほっ!」

噂をすれば何とやら。

ノックもしないで慌ただしく入ってきたのは、俺の実の弟で理科の授業を担当している先生のルイージだった。

こいつはいつでも理科の授業で実験に失敗する。薬品の調合を間違えて爆発、なんてざらじゃない。

今まで一番酷かったのは、ファイアーボールの原理をテーマに授業を始めた時、理科室を一瞬で真っ黒焦げにしたこと。

未だ先生をクビにならないのが不思議だ。

「また何かやらかしたのか」
「み、見りゃ分かるでしょ……」

授業が終わったのか、抜け出したのか。ともかく、ルイージの羽織っている白衣は所々が焦げていて、実験で失敗したであろうことが伺える。

絆創膏を貼り終え、治療が終わったソニックは立ち上がると、ふらふらで今にも倒れそうなルイージに席を譲った。

「類似先生」
「ルイージだよ、ソニック」
「sorry.……それで、何があったんだ?」

ソニックは爆発頭になってしまっているルイージを目の前に、吹き出しそうになるのを必死に堪えながら訊ねた。

ルイージはがっくりと肩を落とし、青いような黒いようなオーラを纏いながら、

「実は――」
 
 
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