夏バテですか?
「そういうことでしたか」
!?!!?!??!?
と感嘆符疑問符が飛び交う間にカービィに突き放されマルスは尻餅。わざわざ目を凝らして確認までせずともX部隊中では数少ない敬語口調と肝心な場面で現れる毒体質で絞り込めば。
「いっいっいつからそこにいたのさ!」
「"我々も"稽古がありますので」
見ればリンクの後ろにはロイもアイクもいるのだから驚いた。そこにメタナイトまで加わっていないのがカービィにとっての救いか。
「何だよ気に障ったなら素直に言ってくれればよかっただろ!」
「は、はあ!? なんで逆ギレされなきゃなんないのデリカシーなさすぎるでしょ!」
そしてこの啀み合いである。
「カービィは太っていないだろ」
「そうですー浮かぶくらいには軽いんですー」
「そりゃお前特殊能力だろ!」
ああだこうだと。朝から元気なことで。
「はー。馬鹿馬鹿しい」
カービィは早々に折れたのか呆れたように。
「景気付けに朝食はホットケーキかなあ」
何はともあれ。
「ふふ。もしかしてお邪魔しましたか?」
不意に影が差したので見上げるとその人は薄く笑みを浮かべて手を差し出していた。
「何をしようとしていたんです?」
意地の悪い質問に。目を覚ましたかの如く体の内側に遅れて熱が広がるのを感じながら。
「……夏のせいだよ」
end.
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