夏バテですか?



「カービィ」

戸惑った様子の彼を見下して紡ぐ。

「君は可愛いよ」


全ての音が途絶える。

時が止まったかのような感覚。


「……は」

思わずそんな声が洩れて呆気にとられている内マルスは頬にそっと手を添えて。

「肌は白いし」
「へっ」
「睫毛も長くて」

困惑する彼を差し置いて紡ぐ言葉は。

「華奢で」

密か軋んだその心に。

「痩せていて」


情けなくも染み渡っていく――


「……っ」

返す言葉もなく狼狽えた様子の彼が。今度こそ本当に可愛らしく両の瞳に映ってしまい思わず目を細めてしまう。

添えた手の親指を口端に触れて。ゆっくり唇の下へ滑らせれば胸の奥が疼くのを感じつつ。


……僕は。
 
 
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