夏バテですか?



だらりだらりと部屋を出ていく中で。

「……ロイ」


見送るつもりで顔だけ覗かせていたところふと振り向いたマルスに何やら真剣とも見て取れる面持ちで声をかけられた。

「最近、カービィと何かあった?」

意図の掴めない質問に訝しげに見つめ返す。

「どんな些細なことでも構わないんだけど」
「別に……普通だけど」

そう答えた後で、ロイはムッとして。

「俺が焚きつけたってのかよ」
「……言ってないよ」

例えるなら仔犬が威嚇をするような厄介というほどのものでもないが勘繰る視線が痛い。結果としてマルスは小さく息を吐き出して。

「なら、いいんだ」

諦めたように背中を向ける。

「じゃあ今度こそ僕は部屋に」
「そういえば」


……藪をつつけば。


「最近暑いから少食なのーとか言いながら飯のおかわりしてたからさ。嘘つけ、そんなだから肉がつくんだろってこないだ」

……うん。

「まっあいつのことだから気にしないよなー」

謎が解けた気がする。
 
 
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