夏バテですか?



……しかし。

事態は昼だけに収まらなかった。

「ええー!?」

夕暮れ時。同じ食堂にて。

「本当にそれだけでいいんですか!?」

声を上げたのはゼルダである。

それというのも今現在受取口で向き合っている青年、カービィの食事。烏龍茶に焼き魚定食と比較的平凡且つバランスの良い選択であること事態は問題ではないのだが、どうやらその主役を飾る焼き魚が二匹や三匹じゃないどころか、ご飯が大盛りではないようなのだ。

「べっ別にいいじゃん」
「後からお腹が空いたからって勝手に冷蔵庫の中を漁ったりしたらいけませんよ!」

ゼルダが人差し指を立てて身を乗り出すが。

「そんなことしないし……」

ふいと顔を背けてカービィは食事の席へ。

「……匂いますね」
「今日は焼き肉定食だからな」
「そっちじゃないと思うよ」

同じテーブルで食事をする剣士組はひそひそと小声で言葉を交わす。

「だから……ただの夏バテだろ?」
「本当にそうでしょうか?」

注がれる視線を気にも留めず。

カービィは合掌すると箸を手に取った。……
 
 
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