ひだまり
タブーが移動に使った空間のホールが閉じた頃ダークフォックスは聞いた。
「つまんねーの。なんで追い返すんだよ」
「そうじゃありませんよ」
ダークファルコはいつもの衣装に着替えながら答える。
「眠そうな顔をしていましたから」
ジャケットの下に残された黒髪を引き出して。
「タブー様は我々以上に繊細で且つ不十分なお方」
軽やかに払う。
「だから案じるのです」
ダークフォックスは組んだ脚の上で頬杖をついた。
「それって禁忌兵器だから?」
はたと手が止まった。
「……さて」
ダークファルコは密やかに笑み。
「どうでしょうね」