ひだまり



起床時間が訪れたのである。

しゅうしゅうと音を立てて蓋が疼き、ゆっくりと開かれた。その中で睡眠をとっていた人物は朝の冷たい空気が肌に触れると身じろいで仰向けに。瞼を開く。

迎えたタブーは小首を傾げた。

「おきた?」

まだ寝惚け眼で見上げるばかりのその人物はダークファルコ。

二、三度の瞬きを繰り返した後にのっそりと体を起こし、改めて赤の双眸に少年を映した。饒舌且つ毒舌の彼も、寝起きばかりは言葉がすぐに出ない様子。

「……タブー様?」

言って直ぐに大きな欠伸を漏らした。

「……どうかされましたか?」
「ううん。おきた?」

ダークファルコはふっと笑みを浮かべる。

「はい。おはようございます」


また撫でられた。


「あれぇチビ助どーしたの?」

向かいのカプセルを見るとダークフォックスが腕をめいっぱい伸ばして欠伸を漏らしていた。瞼を擦りながら怪訝そうに見つめる。
 
 
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