素直じゃないけど
ただ言葉を発する、それだけの問題かもしれない。
けれど自分は誰かが思う以上に、そのたったひと言に“感謝”という擽ったい意味を込めてその人に届けたいと強く思っていたのだ。
「今言ったじゃないですかぁ」
突っ込んだ後で、
「あー」
気付いたのか微笑ましそうに。
「もしかしてラディスに」
「しーっ! しーっ!」
カービィは真っ赤になって取り乱しながら人差し指を立てた。
「人が隠そうとしてることを平気で口に出すなっ!」
「隠しちゃうんですかぁ?」
こいつは。任務での一件以来僕を嘗めてかかってる。
「……ちっ」
悔やむべきは唯一頼れる相手ということだ。
「言ってみればいいじゃないですかぁ」
「それが出来りゃ苦労しないっつの」
ですよねぇ、とヨッシーは笑う。
「……こうしましょう!」
何やら思いついたのか人差し指を立ててずいと迫った。
「他の人の意見を聞くんです!」
「……は?」
「それなら恥ずかしくないでしょう?」
「んなの出来るわけ、」
「恥ずかしくないですよねぇ?」
うっ。
「……やればいいんでしょ」
溜め息混じり。
「はいっ!」
押し負かされたカービィが拗ねたように言うとヨッシーは満足げに笑った。