素直じゃないけど
「カービィ?」
少し大袈裟に肩を跳ねて振り向いた。
「どうしたんだよ」
もちろん目的の人物ではない。怪訝そうに覗き込むのはロイだった。
「……別に」
「そんなことないだろ。ラディス、お土産持って帰ってんだぜ?」
どういう意味だ。そう思って睨みつけた直後。
「和菓子は嫌いかい?」
あっ。
「ラディス」
「クッパに負けたよ」
困ったように息を吐いてラディスが親指で後ろをさした先では、一体いつ入れ替わったのやらクッパが子供たちに囲まれていた。
「和菓子は和菓子でも饅頭は好かないみたいでね」
「へえ、あっちは?」
「餡蜜団子。美味しそうだったよ」
実物は見ていないが腹の虫が今にも泣き出しそうだった。
「ラディスは?」
「塩饅頭」
よく見るとひと握りの大きさの包みを持っている。
「俺は好きなんだけどなぁ……」