それは甘くてあざとくて
甘くとろけそうな匂いの漂う、ここは食堂。
「わあ、これを僕にくれるのかい?」
ゼルダはにこりと笑って、
「ありがとう、リンク」
というかシークじゃん。
「ふふ、いつもお世話になってますから」
この金髪共は性別が反転しても映えるなぁ……今しがたゼルダにバレンタインのチョコレートを渡し、肩を竦めて笑うリンクをルーティは遠目に見つめて。
「ふん。人は何かと暇を弄ぶな」
その声にルーティはふと顔を向けた。
「……貴様もその類いか」
お前もかよ!
「どうした、小娘。私の胸に何か付いているのか」
「その発言はわざとですか」
こうなると胸の大きさってこう、何かと比例して……いやいやいや! 言わせないからね!? 疑問符を浮かべるガノンドロフからルーティはふいと顔を背ける。
「くそ、好きじゃねえな。鼻にくる」
ウルフは鼻を腕で庇いながら顔を顰めて。
「やっぱ女の子になるとその辺ちゃんと気合いが入るんだね……」
「は? なに言って」
「ねーね!」
――ああ、この声は。