ふしぎなとびら、ひらかれて
ぱたん、と扉が閉まった。
「……つまり」
リオンは変に真面目くさった顔で顎に手を添える。
「真に愛する人間を前にすれば自ずと扉は開き、その上ベッドインまで持ち込めると……」
「その認識はどうだろう」
ものともせず、リオンはユウを振り返る。
「結婚してください!」
「お断りします」
「結婚してください!」
「お断りします」
「扉か」
たまらず、ドンキーが突っ込み。
「ならばこの扉を私だと思って!」
「随分と建て付けの悪そうな扉だな……?」
「待てえぇえい!」
ギャイン、ギャインと鳴き声を上げるチェーンソーを構えるユウ。
……何処から持ってきたのか。
「こういう時、ブラピがいればなぁ」
「誰だよブラピって」
ピットの呟きにロイが苦笑いを浮かべていると。
「ロイ」
呼ばれて、振り返る。