ふしぎなとびら、ひらかれて
「なっ」
仮面の下にあるメタナイトの顔は真っ赤なことだろう。何処かに仕掛けておいた監視カメラを通してピーチはガッツポーズを決めているに違いない。
「なにをするつもりだ!」
「ここまできてプロポーズ以外の選択肢って無いっしょ」
それとも、とカービィは意地悪く耳元に唇を寄せる。
「見せつけたいってなら遠慮はしないけど?」
かああっとメタナイトは顔だけじゃない体が熱くなるのを感じた。
「……おーい」
「冗談冗談。プロポーズだっけ?」
僕は、本気でそうしても構わないんだけどな。
この場は冗談ということにしておいて、カービィは口を開く。
「大好きだよ。僕が、全てを賭けて守るから。だからあんたはめいっぱいの愛で、僕を満たしてよね」
耳がこそばゆい!
言葉を向けられた側は声を失っているが、此方は別の意味で言葉にならない。
「……おっと」
それぞれが異なる理由で硬直を余儀なくされていたその時、カチッと扉のロックが解除される音が響いて扉が開いた。
『喜んで。幸せになりましょう!』
カービィは何の気なしにメタナイトを部屋の中にぽんと押し込むと振り返って。
「――そんじゃお先に」