ふしぎなとびら、ひらかれて
無線。
「なによ」
「出てこい」
「貴方。趣旨は理解しているの?」
呆れたように返した後で、ピーチはははぁんと勘付いた。
「さては……相手がいないのね?」
「当たり前だろ。俺はホモじゃない」
やっぱり。
「……だから」
くすくすと笑う声にたじろぐ様子なくマリオは言葉を続ける。
「お前、出てこい」
……えっ?
「ま、まさか貴方、私を使ってプロポーズを」
「そうした方が雰囲気が出るのは周りを見てりゃ分かるしな」
気のせいかピーチは動揺した様子で、
「なっ……なんで私なのよ。女の子なら他にもいるじゃない」
「そういえばそうだな」
あっさり。
「でも、ま。真っ先に思い付いたの、お前だし」
マリオはくすっと笑う。
「……出てきてくれないか?」