ふしぎなとびら、ひらかれて
カチッと扉のロックが解除される音。
「開いたみたいだな」
フォックスはそう言って扉についていた腕を退けた。
「……おい」
部屋に戻ろうとするフォックスを振り返り、呼び止めて。
「さっきの」
ファルコは目を逸らして言葉に迷う。
「……おいで」
ひと足早く部屋に入り、まだ電気もつけていないカーテンの締め切った、暗がりの中でフォックスは招くように腕を広げる。
「証明くらい、いくらでもするよ」
爆発すればいいのに。
なんて思ってる場合でもないか。
「……兄さん」
ルイージは小さく溜め息をこぼし振り返った。
「何か思いついたかい?」