ふしぎなとびら、ひらかれて
――その後も謎のプロポーズ大会は続いた。
「ボクが幸せにします! 必ず!」
といった正統派から、
「……その。今はまだ小さいけど、いつか大きくなって……守るから。だから……だから、それまで待ってて、くれる……?」
といった清純派。
「おやおや可愛いですねぇ」
「あんたはプロポーズしたらんのかい」
「せっかくなので最後にしますよ。参考にしたいので」
「ようゆう」
「結婚してください!」
声に振り返る。
「そして幸せな家庭を築こう!」
『喜ん』
「子供は最低でも二人欲しいです!」
「やめろ」
後ろからユウがリオンの頭を小突いた。
「一人目は女の子がいいな、ユウ!」
「何故、私に言う」
「貴殿しかおらぬではないか……!」
「私は男だ」
「性別の壁など!」
「一生ぼやいていろ」
ぱたん。
「……幸せそうやなぁ」
「一方的ですけどね」