悪なるサンタの大作戦!
「……つまり」
ダークファルコは腕を組んで。
「手っ取り早く言ってしまえば、リーダーはサンタの証明をすることになったと」
「そ、そういうことになる」
一人でどうにか出来る問題でもなさそうなので、結局ダークシャドウのメンバーに相談することにした。ダークマルスはスピカの腕に絡み付き、擦り寄って。
「生け捕りにするしかないんじゃなぁい……?」
「んなこと言ったって、実際には存在しないんだし仕方ないだろ」
スピカはむすっとした顔でそう告げて、溜め息。
「……本当、いつから信じなくなっちまったんだか」
サンタを信じていたあの頃の方が可愛かった、なんてことは言わない。恐らく理由は単純なもので、自分がいない間に正体を知ってしまったのだろう。
況してや夢を壊された、なんて思ったんだろうか。
「リーダー……」
「情けない声出すんじゃねえよ。辛気くせえ」
心配そうに名前を呼ぶダークウルフをひと睨み。
ダークウルフはそれで口を閉じた。顔を俯かせ、表情に影が差す。そんな姿も今のスピカの目には映らず、さてどうしたものかと一人考えを巡らせていると。
「……いますよ」
ぽつり、ダークウルフは呟いて。
「サンタさんはいます!」
とんでもない声量で、はっきりと言い放つものだから廊下にまで響いたんじゃないだろうなとスピカは内心焦った。……いや、それよりも、だ。
「ばっ、サンタはいねえんだよ! ありゃ空想上の生き物だ!」
「いますよ、ここに!」
ダークウルフは自分の胸を叩いて。
「……は?」
「俺たちなら出来ますよ!」
スピカは目を開いた。
「俺たちがサンタになればいいんです!」