悪なるサンタの大作戦!



幼い頃、微かな物音に目を覚ますと部屋から出て行こうとして扉を開く赤服の男を見つけた記憶がある。よく見知った顔かと思えば、その正体は父親だったが……

隣で寝ているピチカは起こさないでくれ、とばかりにしーっと人差し指を立てられたのが面白かった。つまり結局、本物のサンタではなかったわけだが。


それが、大好きな人に変わりはなかったのだ。


「……ど」
「ん?」

ああ、このパターンは。

「どういうことですかああっ!?」

んなことだろうと思ったよ!

「リーダーは年下より年上が好みなんですか!」
「んなわけがあるかっ!」

そういえば、ダークシャドウである彼らは造り出されてから十年程しか経っていないので実質スピカより年下になるわけだ。と、それに関してはもはやどうでもいいわけで。……ったく。こいつに限った話じゃないが、何処まで子供なんだか。

「とにかく! サンタが嫌いな子供はいねえよ!」
「ぐっ……」

スピカがはっきり言い放つと、ダークウルフは言葉を詰まらせた。

「……し、精進します」
「ああそうしろ」

と、此方が解決したところで問題はもっと他にあるわけで。


どうすんだよ、自分! クリスマスまで後二週間もないんだぞ――!?
 
 
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