悪なるサンタの大作戦!
「おや。知らないんですか?」
そこへ現れたのはダークファルコである。
「有名な方ですよ」
「……お前、知ってんのか?」
「ええ」
驚いた。ダークファルコはサンタとは何たるかを知っているらしい。ふふんとやけに自信ありげに笑う彼の回答に、少し期待を寄せて注目してみる。
「……サンタ、とは」
ダークウルフはごくりと息を呑んで。
「ありとあらゆる手段で不法侵入を働き、子供に限定して様々な玩具を無理矢理送りつけてはその反応を楽しむ、大柄に赤服が特徴のおじさまですよ」
不審者じゃねえか!
「成る程……」
「っじゃねーよ! どういう認識してんだお前は!」
「あ、違うんですか?」
「だいぶちげえよ!」
期待した俺が大いに馬鹿だった。咳払いをして、訂正。
「……サンタクロース。クリスマスの夜、子供たちにプレゼントを配って回るお爺さんのことだよ。本当は頑張ってるってとこ、ちゃんと見てくれてて」
スピカはふっと笑みをこぼす。
「俺も、大好きな人なんだ」