悪なるサンタの大作戦!
どうしてそうなる!
「せ、洗脳って……」
「そうでなきゃにぃに、本当にサンタさん信じてるの!?」
ずいと前に出てきたピチカに、スピカは珍しくうっと言葉を詰まらせた。
「い、……いるに決まってんだろ!」
「そうだ!」
と、スピカの後ろから生えるようにして現れたのはダークウルフ。
「リーダーは嘘なんかつかねえ!」
しかしピチカは引き下がらない。腰に手を当てて暫く睨みつけていたが、不意にふっと笑みをこぼした。勝利の確信――それに最も近いであろう、笑みを。
「そこまで言うんだったら、兄妹に免じて信じてあげる……」
スピカやその他大人組がほっとしたのも束の間、
「その代わり!」
しん、と辺りが静まり返って。
ピチカは勢いよくスピカを指差す。いつになく強気に攻めてくる妹にスピカはびくっと情けなく肩を跳ねさせた。ピチカはにやりと不敵に笑い、告げる。
「僕たち、子供組一同は今日より大人組の軟禁を宣言します!」
なんつーことを。
「あかん、将来が心配や」
ドンキーは呆れたように頭を抱えて。
「な、なんでそうなるんだよ!」
「僕たちの欲しい物をよく知ってるのはリム達だもん。サンタに化けられたら困るもんね……クリスマス明けまでしっかり、見張らせてもらうんだから!」
どうやら本気で言っているらしい。が、さすがは兄妹である。
「望むところだ!」
スピカはふんと鼻を鳴らして。
「最高のクリスマスにしてやる!」