悪なるサンタの大作戦!



独占権? ダークウルフは数秒の間を置いて、

「ええぇえええっ!?」

案の定、声を上げた。

「そっそんな、俺ごときがそんなっ!」
「嬉しくないというのなら交換しましょうか。プレゼント」
「断固拒否!」

口を挟んだダークファルコに鋭く返して、ダークウルフはスピカを見つめる。

「……俺なんかが、いいんです?」
「べっ別に。思いつかなかった俺にも責任があるようなもんだし」

そう言ってスピカはちらっとダークウルフを見遣った。そしてその表情を目にぎょっとする。……なんと、彼はぽろぽろと涙をこぼしているのだ。

「なっ泣くなバカ! おま、俺よりでけーくせに!」
「うう、リーダぁぁ……だって俺、そんな……嬉しくて……」


――何処までも大袈裟な奴だ。


「ったく」

でも、安心した。形としてそこに残るわけではないけど、それで彼が今日を最高のクリスマスだと思ってくれたなら、こんなに嬉しいことはない――

「……つっても、クリスマス限定だからな」
「重々承知しております」

すると、ダークウルフは涙を拭い、にこりと笑って。

「両手を縄で括り付けて首には首輪と鎖を繋ぎ、暗い部屋に閉じ込めて独占したって……今日一日は文句を言えないということですよね? リーダー」
 
 
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