悪なるサンタの大作戦!



今回の作戦だって、嫌な顔一つせずにやってくれた。

だから、少しでもお礼がしたかったのだ。結局、パーティ会場や料理を丸々任せることになってしまったが、あの椅子の上にあるプレゼントだけは自分で考えて購入した。何を買えば、どんな顔をして喜んでくれるだろう、と想像しながら。

「リーダー……」
「もっもういいだろ。ほら、さっさと席について飯を――」
「ありがとうございますっ!」
「うわあっ!?」

振り返ると、ダークウルフが抱きついてきた。

それを合図にわあっとダークシャドウのメンツが駆け寄ってきて取り囲むので、スピカは身動きがとれない。それでも、不思議と嫌な気にはならなかった。

「ばっ、うるせーよ! さっさと自分のプレゼントが置いてある席につけ!」
「ありがとうございます……ありがとうございます……!」

特にこいつ、ダークウルフだけは最後まで離れなかった。

尻尾が喧しく音を立てている辺り、誰よりも嬉しいのだろう。蹴飛ばすような気力もなくなって、スピカは仕方なさそうに息を洩らし、ふいと目を逸らす。

「はー、やんなっちゃうね。頑張ったのは僕たちだよ?」
「りょうり、おいしい……」

早速プレゼントを開けてはしゃぐダークシャドウを横目にクレイジーはやれやれといった具合に溜め息。タブーは、皿に盛った料理を美味しそうに食べていたが。

「すっげ! リーダー、これ俺が欲しかったヤツじゃんよ!」
「ま、前に羨ましそうな目で見てたからな……」
「凄い……こんなのあるんだ……綺麗……」
「一番高かったんだからな、それ」

クリスタルで出来た頭蓋骨を手にきらきらと瞳を輝かせるダークマルスに、スピカはくすっと笑った。誰もがそれぞれのプレゼントを手に喜ぶ一方で、ダークウルフだけは辺りを見回し、きょろきょろ。結局、スピカの元へ戻ってきて、

「あのぅ、リーダー」
「……なんだよ」
「俺の分が……その、見当たらないんですが……」
 
 
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