悪なるサンタの大作戦!
とりあえず食堂に入ってはみたものの、何故か電気が点いていない。
廊下からの唯一の光も最後の一人が食堂に入ると扉が勢いよく閉まり、遮られて食堂は真っ暗に。余計に警戒はしないが誰もが不審に思っていた――その時。
ぱっと食堂の明かりが点いて。
「メリークリスマス!」
弾けるクラッカーの音にダークシャドウのメンツは目を丸くした。
「……え?」
見れば、食堂のあちらこちらで色とりどりの電飾が施されており、中央には巨大なクリスマスツリー。白いテーブルクロスの敷かれた丸テーブルの上には如何にも、といった料理が並び、椅子の上にはそれぞれ包装されたプレゼントが。
「ふん。驚いて声も出ないか」
――実はスピカ、マスターにはもう一つ、頼み事をしておいたのである。
作戦実行の夜、外出する自分の代わりに食堂をクリスマスパーティの会場として準備しておいてほしいと。それがたったの五分や十分といえど、創造神である彼の手にかかれば。誇らしげなスピカを見て、マスターはふんと鼻を鳴らす。
「神使いの荒い奴だ」
一方、ダークシャドウのメンツは固まっていた。
「えっリーダー……これって」
「クリスマスパーティの会場に決まってんだろ」
「ねぇねぇ……椅子の上のあれはなんでしょ……?」
「プレゼント。ったく、いちいち聞きやがって」
スピカはくるっと背中を向けてぽつり。
「……その。お前らには、いつも世話になってるから」