悪なるサンタの大作戦!
「……揃ったか?」
あれだけ大掛かりな準備をしておきながら、与えられた時間はたったの五分。
それでもしっかり、何を仕出かすこともなくこの作戦を無事に終えて、彼らはエックス邸の庭に戻ってきていた。スピカは目を走らせ、人数を確認してひと息。
「ふあ……も、眠いよリーダー……」
ダークソニックは大きな欠伸を洩らして。
「ゲートを開け。基地に戻る」
「はいはーい!」
ぱっと手を挙げたダークゲムヲは、前に出てくると何もない箇所に向かってぱちんと指を鳴らした。するとその箇所の空間が歪み、縦に紫色の渦を巻いて。
――この先が亜空間である。
「うちら超頑張っちゃったからご褒美必須じゃなぁい?」
「や、やめなさいなサムス……そういうの、駄目……」
後ろからそんな声が聞こえたが、対するスピカは無視。
帰って早く寝たいのだろう、とダークウルフも声はかけなかった。最後の一人が空間を潜り抜けて、渦を巻いていたそれが縮小。歪みは消え、跡形も残らず。
彼らのクリスマスはこれで幕を閉じた。かのように思われた。……
「じゃ、リーダーおやす」
「ストップ」
基地に辿り着き、それぞれが部屋に戻ろうとしたその時である。
「絶対寝るんじゃねえぞ。用がある」
「は、はあ……誰に」
「全員だ!」
ひい、殺される!?
「ちょ、誰だよしくった奴……」
「連帯責任ですか。これはまた酷い話ですね」
ずかずかと早足で歩くスピカの後ろを付いていきながら、ダークシャドウのメンツはこそこそ。間もなく全員が辿り着いたのは――何故か食堂で。
「え、……ここ?」
「いいから入れ!」