悪なるサンタの大作戦!



「サンタなんかいないんだからああっ!」

さて、どうしたものか。もうすぐクリスマスということで、自らサンタに扮して子供達にプレゼント、なんてことを考えていた連中も少なくないはず。

それなのに、こいつらときたら。せっかくの作戦も台無しだ。

「待ちなさいったら。どうしてそんな頑なに」

するとピチカ、ふいと顔を背けた。


「……サンタさんって、白ヒゲでおデブなおじさんでしょ?」


おい。

「僕、そんな人が夢を配るサンタさんなんて認めない」
「ちょっとマリオに失礼でしょ!」
「失礼なこと何も言ってないだろ!」

すかさず、マリオが突っ込み。

「ヒーローの末路ですね」
「ふん。道理で、土管が好きなわけだ」
「ほぉ……」
「あれは煙突だろ!」

やれやれ騒がしい。朝っぱらから勘弁してくれ、とばかりに離れた席で食事を摂っていたウルフは溜め息。向かいの席のフォックスはくすっと笑った。

「いいじゃないか。定番だろ?」
「毎年やるってのかよ」

冗談じゃない。

「ウルフはこういうの嫌いなのか?」
「ちげえ。ただし、もちっと静かにしろってんだ」

苛立っているのかそうでないのか、空になった皿を重ねて立ち上がるウルフにフォックスは苦笑い。と、その時。食堂の扉が勢いよく開かれて。
 
 
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