悪なるサンタの大作戦!



「遅れてすみませんっ!」
「静かにしろバカ!」

スピカは遅れてやって来たダークウルフを早々に蹴り飛ばして。

「……ったく」

時刻は午後十一時五十五分。

スピカ率いるダークシャドウはエックス邸の庭に集合していた。格好はもちろん、あの黒地の手作りサンタ服。いよいよ作戦を実行する時が来たのである。

「さ、寒い……」
「早く帰ってホットミルクでも飲みたいねぇ……」

ダークロイとダークピットが口々に、寒そうに体を震わせる。

「いいか、てめえら。よく聞きな」

集団の彼らと向き合っていたスピカは腕を組んで。

「十二時になったら屋敷に仕掛けた催眠煙が仕掛けておいた機械から放出され、奴らは強制的に眠りに落ちる。が、五分だ。五分で片を付けろ」

それぞれが頷いて承諾したのを確認すると、スピカは白い息を吐き出して空を見上げた。今夜は空がどんよりと曇り、月が隠れている。これは絶好のサンタ日和……かもしれない。その時、腕時計を確認したダークウルフが耳打ちをした。


――実行の時である。


「行くぞ。ダークリスマス作戦……」

スピカは大きく息を吸って、

「開始だ!」
 
 
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