悪なるサンタの大作戦!
「持ちましょうか? その荷物」
「うっさい! 言ってないでさっさと歩け!」
買い物を終えて亜空間に移動。ああだこうだと話しながら、基地に辿り着く。
「わあ、おみやげ?」
これは珍しい。やって来たのはタブーである。
「ちげぇよ。……ああもう、触んなっ」
玄関先に下ろしていた買い物袋の前に屈んで伸ばしたタブーの手をぱしっと叩き、靴を脱ぐ。そうして上がったその時、視線を感じてスピカは顔を上げた。
「……あんたか」
「これはまた。呼び付けたのはお前だろう」
マスターはくすっと笑みをこぼして。
ダークウルフは首を傾げる。彼について何も説明は受けていないのだ。スピカは拾いかけた買い物袋をじっと見つめ、それから振り返る。
「そいつは俺の部屋に運んどいてくれ」
「あ、はい」
「絶対に見るなよ」
見たら殺すぞとの思し召し。言葉に棘があり、突き刺さる。
「はい……」
「話だけならこの場で聞くが」
「あんたの研究室でいい。さっさと行くぞ」
「ほう」
となると、秘密事か。
靴を履いて再び出ていったスピカに、ダークウルフは狼耳を垂れた。先ほどの買い物の時といい、一体何を考えてるのだろう。頼りにされないのは少し寂しい。
「あのさぁ」
ダークフォックスは後ろから声をかけた。
「後ろ、詰まってんだけど?」