悪なるサンタの大作戦!
「次、七人目。狼野郎だぜ、聞こえてっか」
「あっああ。続けろ」
ダークウルフが応答してる隙にスピカはその場を離れた。当然追いかけるつもりだったが、聞いてみたところウルフの欲しい物とやらはスピカが向かった先とは真逆の売り場にあるようだった。ダークウルフは不安げに遠くなる背中を見つめて。
「依存している……」
いつからそこにいたのか。ぽつりと呟いたのはダークトゥーン。
「リーダーやパートナーだからってレベルじゃねえな」
当然、彼もいた。挟むようにして横に立っていたのはダークリンク。
「自分の立場は弁えている。構うな、仕事をしろ」
相手がスピカじゃないとなると、途端にこの態度だ。早足でその場を離れるダークウルフに、ダークリンクはにやりと不適に笑み。ダークトゥーンは首を傾げて。
「あれで遠慮をしていたらしいが」
「本当は監禁したいくらい愛しくてたまんねぇんだろーなあ」
ダークリンクはダークウルフの背中を見つめ、目を細める。
「悪い子にゃサンタは来ないんだぜぇ? くくっ……」
思わず置いてきてしまったが、何かひと言残しておくべきだったか。
「えーと……」
我ながらこんなことを思いつくなんて。当日は忙しいだろうな、と思いつつ嫌な気はしなかった。多分、これが他の誰でもない、あいつらの為だからだろう。
――うわ、これ思ってたより高いんだな。
スピカはとある売り場で一人、顔を顰めていた。色々と思考しながら商品をカゴに入れている辺り、選択は慎重らしい。一体、彼は何を考えているのやら……