悪なるサンタの大作戦!
「はい、四人目のルイージ。欲しいもんは荒縄――」
「じゃないだろ。嘘をつくな」
所変わって、ここはレイアーゼ都市繁華街にあるショッピングモール。
太陽光に弱いダークシャドウは、外出時は重装備。帽子にマスクにサングラス、少しでも日に当たらない為に長袖でその上厚着なのだから、今の季節でこそ誤魔化せるが夏場は言い逃れ不可、完全な不審者である。
「くくっ、じゃあ何だと思う?」
「こっちはクイズしてんじゃねーんだよ」
からかうダークルカリオに、スピカは今にも無線機を握り潰しそうで。
「ルカリオ!」
「ちっ。……最新型の掃除機。コンパクトなのを御所望のようだ」
ダークウルフが語気を強めて呼ぶと、ダークルカリオは小さく舌打ちをした後で素直に答えた。それにしても、ルイージは綺麗好きなのだろうか。
「色の指定は?」
「そこまでは探れねえよ。靄がかかってやがる」
「十分だっての、リーダー」
と、無線を使って口を挟んだのはダークルイージ。
「……分かるのか?」
「嘗めんなよ。これでも奴の偽者――高っ! 掃除機たけえ!」
もちろん、購入するのは対照のダークシャドウである。少々酷な気もするが、それぞれがサンタに成り切るのだからこれくらいのことはやっておかないと。
「何か、楽しいですね。サンタって」
それにしても、彼らは自分の思いつきに対して文句ひとつ口にしない。
これがどうも言動に呆れ、諦めて付き合っているわけでもなさそうなのが幸いでもあり、不思議だ。彼らは嘘をつかない。純粋に楽しんでくれているのだ。
「……リーダー?」
スピカは立ち止まり、何やら思考を巡らせて。