悪なるサンタの大作戦!
「彼でよかったんですか?」
ダークルカリオが早速エックス邸へ向かったのを見て、ダークウルフは少し呆れ気味に首を傾げた。スピカは足を組み、ソファーの背凭れにもたれて。
「あいつしかいねーんだよ。警戒心が高まってる以上、パートナーに化けて迫ったところで簡単には白状しない……なら、あいつの能力を使って」
「暴いて、晒して?」
ダークミュウツーは鎖をくるくると指に巻き付けて弄びながら。
「くふっ……イイねぇ。無理矢理? 彼ら、どんな顔をして……あはっ……」
「気持ち悪ぅい」
ダークマルスは不快そうに眉を寄せて。
「……俺たちは買い物に行くぞ」
「ああ、そうでしたね」
――スピカの作戦はこうだ。
といっても説明を加えなければならないほど難解なものでもないが。ダークルカリオがクリスマスプレゼントに欲しい物をそれぞれ心の中を読んで暴き、無線で連絡。それをスピカ達が購入する、というわけである。
もちろん、今回買うのはそれだけではない。サンタに扮する為のコスプレ服も新たに布を買って、自分で作るというのだ。言い出しっぺの法則、というものがある。
「よければ手伝いますよ?」
「余計なお世話だ。こんくらい、一人でやってやる」
「で、でも……約四十着ですよ?」
スピカは少し黙り込んで。
「しっ仕方ねえな。どうしてもって言うなら、勝手に手伝えよバカ」
「はいっ、そうさせていただきます!」
「悟りましたね」
「無理だと悟ったな」
ダークファルコとダークフォックスは口々に呟き、苦笑い。