悪なるサンタの大作戦!
この時期になると、もはや定番とも言えよう……
「絶対にサンタはいない!」
「いるったら!」
赤外套を着た白ヒゲの老人の、存在肯定派と否定派の言い争いは。
「うっせえなあ、何の騒ぎだよ」
ここはエックス邸の食堂。
それも朝から子供たちに混じってリムが声を上げるので、まだ寝起きのファルコは眉を寄せて訊ねた。ったく、喧嘩ごとなら外でやれってんだ。
「いないったらいないんだもん!」
「そうだそうだ!」
ピチカに続けて、ディディーとトゥーンが声を揃える。
「はあ?」
「聞いてよファルコ。子供たちがサンタなんかいないって言うのよ」
リムが困ったように言うと、ファルコは呆れてしまった。おいおい、普通は逆だろうと。まあ、サンタの存在なんざ俺だって信じちゃいないが……
「最近の子供は可愛げがないな」
「そうですよ。そんなのではプレゼント貰えませんよ」
「知らないおっさんから貰える物なんて、たかが知れてるね!」
ユウが腕を組み、リンクが人差し指を立てて続けたが、ずいと前に出てきたディディーがそう言ってふんと鼻を鳴らした。成る程、こいつは強敵だ。
「どうせあれじゃん! 兄ちゃん達がサンタに扮してプレゼントするんだろ!」
……そこまでお見通しか。
「まさか。あの方の真似事なんて俺たちには無理です」
「せや、第一俺らのが若いんやで?」
果たしてそういう問題だっただろうか。
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