僕らの正義
扉を抜けて、先へ進めば進むほど。刺々しく、禍々しく。
まさかスピカに向けるはずもないだろうが彼らは普通の人とは異なる歪んだ精神の持ち主だ。誰に気を遣うでもなく垂れ流しかもしれない。
そうだとしてまた違う感心を抱いた。
軽蔑のつもりはないけれど。
こんな所に居れば、殺しに対する躊躇いなんか失われるはずだよね……
「くくっ、丸聞こえだぜぇ?」
肩を跳ねて振り返った。
廊下の壁に背を預けて笑うのはダークルカリオである。その横で寄り添うように肩に手を掛けたダークミュウツーがくすくすと。
「俺たちは別にこのまま勘違いしてくれたままでいいけどよぉ」
勘違いって。
「……“人殺し”だって思ったろ」
どくん。
「あっははは、やっぱりなぁ!」
「他人の言葉にいちいちとらわれるな」
足を竦ませるルーティにダークウルフが静かに告げる。
「……うん」
言い返せなかった。
だって、僕は。