僕らの正義
「喧嘩はダメえええっ!」
二人の間を割って入るかの如く、拳を振り上げにゅっと生えてきたのはピチカ。
「仲良くしなきゃ駄目でしょ!」
「ぁ、あのなピチカ、俺たちは別にそういう」
鬼の面をしていたスピカも愛するピチカの登場でたじたじに。
「X部隊にもダークシャドウにも良いところは沢山あるんだから!」
「そーそー。皆違って皆いいんだよー?」
便乗するカービィ。
「……それに何か面白そうだし」
そっちが本音か!
「いいじゃねえかルーティ。てめえもちったぁ勉強になるだろ」
「ええっ!」
腕を組んで見下ろすウルフに慌てて振り返った。
「ウルフは僕がどうなってもいいの!?」
「その程度のパートナーなら端から願い下げだ」
ぐぬぬ。
「リーダー」
ダークウルフはこっそりと耳打ち。
「ここは素直に敵の提案を受け入れましょう」
続けて、
「奴らには俺からキツく言いつけておきますから」
溜めに溜め込んだ息が遂に吐き出された。
どうせこのままではいたちごっこ、何も変わらないのだ。
「一日だけだからな」
斯くして。
X部隊のリーダー、ルーティと。ダークシャドウのリーダー、スピカの。
一日限りの取り替えっこが始まったのである……