僕らの正義



――銃声。

遠く鳥達が飛び立つのを、ルーティとスピカは顔を見合わせた。


「くっ」

魔物がじりじりと迫ってくる。

男は長銃を手にしていたが何せ相手の魔物は小柄で、それも群れだ。

「……っ」

内一匹が姿勢を低く構えたのが見えた。……覚悟を決めるしかないか。


その時だった。


青と黒の雷撃がそれぞれ地を駆け、魔物の群れを薙ぎ払ったのだ。しかもそれだけではない。魔物を一掃したのは今しがた茂みより現れた少年二人である。

ただの人間ではない。それに見覚えもあった。

「昨日ぶりだなぁ」

残された魔物はすっかり怖じけづいてしまっている。

「いがみ合ってた割には仲良くしてるみたいじゃねえか……」

男がにやにやと笑っているのに対し、ルーティとスピカは無言。

「……それとも」

すかさず長銃を構えて。

「仲良く死ぬ覚悟でも出来たってかあ!?」
 
 
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