僕らの正義



――まどろみの森。

「っ、」

ルーティは振り返った。

「背中がら空きで何処にいくんだ」

ずしんと地面を揺らし倒れ込む二足歩行の大きな魔物に、けれどルーティは少しも驚いた様子を見せなかった。

「スピカは」

微量に残った電気をぴっと払ったその時である。

「……ターゲットの人、殺すの?」


妙な静けさだった。


「お前は助けたいんだろ」

ルーティはほんの少し視線を逸らす。

「……うん」
「歩くか」


正義には理由がある。


どんなに酷くても、どんなに甘くても。

結果として誰かを助けたい。


そんな直向きな想いに。

嘘はないんだ。
 
 
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