僕らの正義
間違いない。少年の正体はルーティだった。
「ごめんねっ服汚したから借りちゃって」
「そっちじゃねえよ!」
手を合わせるルーティの背後に黒い影。振り向くより早く雷撃を薙ぎ払った。
「……!」
ルーティは墜落していく魔物に目を丸くして。
「何しに来たんだよ!」
「僕はこの森の魔物が異常繁殖してるからってその討伐依頼で」
遮るようにスピカは雷撃を放つ。もちろん魔物が近くにいた為である。
「スピカはどうしてここに!」
稲光が飛び交う。
「お前には関係ないだろ!」
「そうやって意固地にならないでよ!」
舌打ち。
「昨日のターゲットがこの森に逃げ込んだらしいんだよ!」
ルーティは目を開いた。
「ああくそ、切りがねえ高度を落とせ!」
「……僕も行くよ」
眉を顰めて振り返る。
「はあ? お前なに言って」
と言っている間にルーティはダークウルフにぼそぼそと何やら告げて、彼を乗せたウルフェンはまだ数匹の魔物を引き連れながら森へ降下。
くそっ融通が利かねえなあいつも!
「後を追え、オオカミ!」